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一致を示す場合がある。このようなCaSeの中で、正常な遺伝子を有しているにもかかわらずその遺伝子にコードされている抗原が発現していない例については、先に述べたように何らかのCO−mOleCuleの欠損が推定される。さらに、−D−のcase2やRhD陰性にもかかわらずRHD遺伝子を有している例に注目すると、RhCE及びRhD抗原それぞれに特異的なCO−mOleCuleの存在が強く示唆される。

 

(2)Regulator type Rhnullの遺伝子解析とRh抗原発現に要するCo−moleCuleの推定
Rh式血液型抗原を全て欠損するRhnull血球は、楕円赤血球症と慢性溶血を特徴とし、Rhnull症候群として知られている1、23)。そして、Rhnullは、Rh座位のDおよびCE遺伝子の両方に変異をもつamorph typeと、Rh座位とは異なる座位にあるいわゆる’抑制’遺伝子の関与するregulator typeに分類されている23)。RhnuH血球では、Rh抗原以外にもLW抗原、Rh50糖蛋白を欠損し、さらにCD47抗原、グリコフォリンBなどが著減していることも明らかにされている1、4)。このため、Rh抗原は、複数のペプチドサブユニットがコンプレックスを形成することによって初めて安定に赤血球膜上に発現するのではなかろうかと考えられている。中でも、

 

 

 

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